Notes

BLOG 「Gin-tonic Food-Pairing : ジントニック・フードペアリング」

 私共が、カクテルと料理のペアリングを始めてもう何年経つでしょうか。

ペアリング・フェアなどで行うものの中には、バーテンダーが料理も考案して、その構造を基にカクテルを同時進行的に組み上げてゆくタイプのものと、料理人が作る料理の情報を読み解いてカクテルを構成してゆく、あらかじめ準備された状態で行う「決め打ち(obbligato)タイプ」と、その場で出て来た皿にインスピレーションで合わせ込んでいく「アドリブ(ad libitum)タイプ」のペアリングがあります。
自分で料理の構造から考えてカクテルと同時進行で作り上げていくタイプのものは、自分自身が料理にもカクテルにも、のめり込んで作り上げていくことが出来るので造り手としての楽しみも多く、ある意味「合わない訳の無い」結果を導き出すことができるのでとても良いのですが、予備知識なくその場に出てきた料理を読み解いてインスピレーションで作る「アドリブ(ad libitum)タイプ」のカクテルがお客様の好みにピタッと寄り添った時の達成感も捨て難いものがあります。
 私共の店では、ハイボールやジントニックで「この料理に合うハイボール」「この皿に合うジントニック」とオーダーくださる方が昔から多いのですが、料理を食べ始めているお客様にお作りする「アドリブ(ad libitum)タイプ」のカクテルペアリングの中で「ジン・トニック」というカクテルの世界観の中でのペアリングの可能性はとても大きなものと考えています。

 数多いジャンルのお酒の中で、製法的に最も制約が少なくて自由なお酒といえる「GIN」の世界には、コリアンダーの香りが鮮烈なジン、セージの香りが印象的なジンなど、市販のジンを揃えていくだけで、その個性でかなりのペアリングとしての要素を成立出来るだけのアイテムが出てきていますし、法的な「London dry Gin」「Distilled Gin」に属さない「GIN」という括りとして解釈するのであれば、後からボタニカルを漬け込むことも可能になりますので、蒸留によって失われた「香気成分」以外のボタニカルによる「甘み」「酸味」「苦味」「旨味」などの「呈味成分」を補完することも可能になります。
トニックウォーターも最近はシュガーフリーのものなど多種多様なものが出てきています。
トニックウォーターに別の飲料を加える「プレススタイル」の解釈を拡げれば、ソーダでも、その他の炭酸飲料でも、お水でも、お茶や他の抽出成分でも組み合わせていくことが出来ます。
料理との味わいのマッチングの鍵となる「酸」も柑橘だけではなく、ヴィネガーやタマリンドなど、さまざまなもので表現すれば、料理との相性の鍵となる酸のコントロールの幅も膨らみますし、スペインのジントニックのようなビジュアルで料理とリンクするハーブやスパイス、フルーツのスライスなどをグラスに浮かべることができるのが、現代の「GIN-TONIC」の懐の深さではないでしょうか。

 
 例えば、タイ料理レストランで、コリアンダーの効いたタイプのジンをベースにしたジントニックに、カフィアライムリーフやレモングラスが浮かんでいたりしたら、料理とのマッチングを、ワインとは違う次元での「目に見える説得力」で表現することができます。

「ジントニック・フードペアリング」

 タパスやさまざまな料理と、まるでサラダのドレッシングやトッピングのように、バリエーション豊かなジン・トニックを楽しむバリエーション豊かな世界。。。

  近い将来、
「ジントニック。ラズベリーとホーリーバジル トッピングで。」
そんなオーダーをされて、料理を楽しまれている姿が目に浮かんでくるようです。